腸内フローラを構成している腸内細菌はビタミンCを作ることは出来ません。また体内でも作ることが出来ないので、ビタミンCは食品やサプリメントなどから積極的に摂っていく必要があります。
特にうつの症状を緩和するには、ビタミンCが大切になってきます。その理由は「L‐トリプトファン」や「L‐フェニルアラニン」といったセロトニンやドーパミンの前駆物質が作られるためには、腸内細菌によって作られないビタミンCが必要になってくるからです。
また「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」といった抗ストレスホルモンの合成にもビタミンCは関わっています。
もしビタミンCの不足によって「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」が作られにくくなると、やる気や集中力が低下してしまうため、「うつ」などの症状も起こりやすくなるとされています。
ちなみに怒りを感じたり、危険を察知してドキドキしたりする時によく出るとされる「アドレナリン」の名前は日頃からよく耳にすると思いますが、この「アドレナリン」は、ストレスを感じる度に分泌されるのです。
そして、このアドレナリンには、交感神経系を刺激し、血圧や心拍数、血糖値を上昇させたり、精神を興奮させて筋肉を増強し、運動能力を高めたりする作用があります。
つまり「アドレナリン」は生物が脅威に直面した際に、「闘争」や「逃走」といった危険回避のために分泌されるホルモンだと考えられるのです。
また「ノルアドレナリン」は「アドレナリン」の前駆物質です。この「ノルアドレナリン」もやる気や集中力に関わってきます。
その「ノルアドレナリン」は、報酬系に関わる神経伝達物質「ドーパミン」から作られるのですが、合成の際に必要になるのが「ビタミンC」と銅なのです。
したがって、ストレスを感じることが多い方は、その度にアドレナリンが分泌されるため、ビタミンCが不足しがちになるのです。
また、アドレナリンは副腎皮質から放出されますが、ビタミンCが不足してしまうと、副腎疲労に陥ってしまいます。
「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」は増えすぎると自己を制御することが難しくなるとされているため、とにかく分泌量を増やせばよいというわけではありませんが、うつになりにくくするためには、きちんと適量が分泌されることが大切です。
したがって、ストレスを感じたり、うつの症状に悩まされたりすることが多い人ほど、ビタミンCを多く摂らなければならないのですが、残念なことにビタミンCはヒトの体内では作られないのです。
また、冒頭で述べましたが、私たちの腸内において腸内フローラを構成している腸内細菌も、ビタミンB群は作れるのですが、ビタミンCは作ることが出来ません。
そのため、心身の健康を維持するためには、こまめにビタミンCを補給することをおすすめします。
ちなみにビタミンCは副腎に貯め込むことができると溝口徹氏は『「うつ」は食べ物が原因だった!』のなかで述べています。
また、溝口徹氏はビタミンCを摂るポイントとして、「一度にビタミンCを摂るのではなく、回数を増やして摂ることだ」と述べています。
そのビタミンCが不足しないようにするためには、品質の良いサプリメントやL‐アスコルビン酸で摂るのが効果的です。
特に粉末状のL‐アスコルビン酸を水や飲料に溶かして飲むことはビタミンC不足の解消に効果的です。