ここではアロエベラの腸内環境・腸内フローラ改善効果について述べています。
アロエベラは古くから医者泣かせの万能薬として利用されてきました。そのアロエベラには、ビタミン類やミネラル類、アミノ酸、酵素類、多糖類など、約70種類もの有効成分が含まれているとされています。
また、未解明の成分も合わせると、アロエベラには300種類に近い成分が含まれているとされています。
ちなみに世界的に広く分布しているのはアロエベラですが、日本に古くから伝わっているのはキダチアロエです。
特にアロエベラのゼリー状の葉肉には高分子多糖体(多糖類)が多く含まれています。
この高分子多糖体とは、ブドウ糖や果糖、ガラクトースなどの糖類が数珠のようにつながった高分子の糖のことで、広い意味では、食物繊維やオリゴ糖の仲間です。
この高分子多糖体は、薬学博士の久郷晴彦によれば、「粘膜の保護や有害物質の吸収、免疫細胞の活性化、抗炎作用、腸内善玉菌の活性といった働きを強く発揮する」といいます。
また「この高分子多糖体の働きについて、とくに最近注目されているのが、腸内細菌の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)を元気づけるとともに、悪玉菌(ウエルシュ菌、ブドウ球菌など)の勢いを抑えることです」と述べています(参考 久郷晴彦『奇跡の有機アロエベラ』)。
つまり、アロエベラの高分子多糖体には、善玉菌を活性化し、代わりに悪玉菌の増殖を抑えるという、腸内細菌のバランスを整える効果があるのです。さらにアロエの多糖類とアロエオリゴ糖は短鎖脂肪酸の生成にも役立つといいます(参考 長谷川恵『腸内環境を変えたい人はアロエベラを食べなさい』)。
もし腸内細菌のバランスが整うことで腸内フローラが改善されると、免疫力が高まり、風邪を引きにくくなるなど、病気への抵抗性が増すことは十分考えられます。
またアロエベラの腸内フローラを改善する効果は、アトピー性皮膚炎など、腸内環境の悪化が関係している疾患に対しても有効であるように思われます。
ちなみに久郷氏によれば、一般的にキダチアロエに含まれる高分子多糖体の分子量は4万程度だとされていますが、有機アロエベラのなかには100万以上の高分子多糖体を含むものもあるようです。
そのため、有機栽培で育ったアロエベラのほうが、多糖類による腸内環境の改善効果をより期待できると考えられます。
(参考 久郷晴彦『奇跡の有機アロエベラ』 コスモ21)
参考文献
久郷晴彦『奇跡の有機アロエベラ』 コスモ21
長谷川恵『腸内環境を変えたい人はアロエベラを食べなさい』 現代書林
デイヴィッド・ウォルフ『スーパーフード』 高城剛 監訳 医道の日本社