日本伝統的な発酵食である納豆は腸内フローラを改善するのに効果的な食べ物です。
まず、納豆が腸内フローラを改善するのに効果的な理由として、食物繊維が豊富に含まれていることが挙げられます。
また、食事によって腸内フローラを改善するためには、水に溶けやすい水溶性と水に溶けにくい不溶性の食物繊維をバランスよく摂っていく必要があるのですが、納豆には水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれているのです。
そのため、毎日、納豆を食べるようにすることは腸内細菌の集まりである腸内フローラの改善に非常に効果的だといえるのです。
さらに、納豆のネバネバに含まれている納豆菌は腸に届くと、腸内で活性化し、自ら善玉菌の働きをします。さらに、それと同時にビフィズス菌などの善玉菌まで増やしてくれるという働きもあると言われています。
それに加えて悪玉菌も減らしてくれるので、納豆を食べると、腸内細菌の集まりである腸内フローラが改善されていくのです。
さらに、納豆のネバネバ部分に含まれている「ナットウキナーゼ」というタンパク質分解酵素には、血栓を溶かす作用があり、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化の予防に効果があるとされています。
それに加えて納豆には「畑の肉」と呼ばれる大豆の良質な植物性たんぱく質に加え、免疫機能を保つために欠かせないビタミンB6、「止血のビタミン」と呼ばれるビタミンKなども含まれています。
そのほか、納豆の原材料となる大豆には、記憶力を高めるとされるリン脂質の一種、「ホスファチジルセリン」が含まれています。
このように、食物繊維や納豆菌、ナットウキナーゼなどが含まれている納豆は、腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善するのに有効な食材なのです。
また、近頃は女性ホルモンの「エストロゲン」のような働きをするとされる「エクオール」が更年期障害や骨粗しょう症などに対して効果を発揮するとして話題になっていますが、この「エクオール」は普段から納豆をはじめとした大豆製品を多く摂っている人のほうが腸内で産生されやすいと言われています。
その理由は「エクオール」が作られるには、材料である大豆に含まれるイソフラボンと、腸内細菌の働きが必要になってくるからです。
「エクオール」 の産生量には個人差(腸内環境の差)があり、全員がエクオールを産生出来るわけではないと言われていますが、普段から納豆を食べる習慣をもつことは、「エクオール」が作られやすい腸内環境を育むことにもつながっていくと考えられます。