ここでは食物繊維の水溶性と不溶性の違いについて述べています。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維がありますが、これらの食物繊維の役割や特徴はそれぞれ違っています。
食物繊維の水溶性と不溶性の違いについては以下の通りです。(なお、食物繊維と腸内環境の関係についてはこちらのページをご参照ください。)
水溶性食物繊維
便を軟らかくして出しやすくし、便の状態を整える
食物が腸内をゆっくりと通過することで消化・吸収の速度が遅くなる
脂肪や糖分の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑える
余分な糖・脂質を体外へ排出する
有用菌の栄養源となり、腸内の有用菌を増やして腸内環境を整える
(内藤裕二『人生を変える賢い腸の作り方』 p140)
水溶性食物繊維
作用 | 腸管内でゲル状になり、便の移動をスムーズにする |
機能 | 便を正常にする・過敏性腸症候群の症状を改善にする・有用菌の発酵の材料になり、短鎖脂肪酸を生成する |
主な食品 | 根菜、野菜、豆類、海藻、きのこ、熟した果実 |
(内藤裕二『消化管は泣いています』p116より抜粋)
◎水溶性食物繊維の種類
ペクチン、グアーガム、イヌリン、グルコマンナン、βグルカン、難消化性デキストリン、アガロース、カラギーナン、キトサンなど
不溶性食物繊維
水に溶けにくく腸内で水分や老廃物などを吸収し、数倍に膨らむ
便のかさを増して腸のぜん動運動を活性化し、便通を良くしてくれる
腸内に接した有害物質や老廃物を体外に排泄し、大腸がんなどの予防に効果が期待できる
(内藤裕二『人生を変える賢い腸の作り方』 p140)
不溶性食物繊維
作用 | 水分を吸収して膨らみ、便量が増加することで便通が改善する |
機能 | 便秘を解消する・有害物質を希釈し、がんの予防や血圧を下げる |
主な食品 | 穀類、野菜、豆類、甲殻類の殻、ココア、熟していない果実 |
◎不溶性食物繊維の種類
セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン・キトサンなど