ここでは短鎖脂肪酸を増やすには食物繊維が大切であるということについて述べています。
腸内細菌には、「短鎖脂肪酸」と呼ばれる飽和脂肪酸の一種を生み出す働きがありますが、この短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が人間の消化酵素では分解しきれなかった炭水化物から作り出す、酢酸、酪酸、プロピオン酸のことです。
そしてこの短鎖脂肪酸には以下のような効果があるとされています。
(藤田紘一郎『腸内細菌が家出する日』より抜粋)
ではこの短鎖脂肪酸を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?
デンプンやオリゴ糖、食物繊維といった質の良い炭水化物を適量摂り入れることで、主にバクテロイデスなどの腸内細菌たちのチームワークによって作られます。
そのため短鎖脂肪酸が十分に作られるためには、普段から食物繊維を多く摂るようにする食生活が大切になってきます。
また、短鎖脂肪酸が作られやすいのは不溶性の食物繊維よりも水溶性の食物繊維だとされており、水溶性の食物繊維が多く含まれている食材としては、海藻類や納豆、らっきょうやもち麦などがあります。
腸内フローラは、主に食物繊維から短鎖脂肪酸を作ります。野菜嫌いで食物繊維をあまり食べなければ、腸内フローラがいても短鎖脂肪酸を作れません。すると肥満防止スイッチが押されなくなって、エネルギー消費が落ち、脂肪が貯蔵され、どんどん太りやすくなってしまうのです。肥満を防ぐためには、しっかりと食べるものは食べ、腸内フローラに短鎖脂肪酸を作ってもらわなければなりません。
(辨野義己『腸を整えれば病気にならない』 p101)