ここでは腸内フローラが悪化する原因について述べています。
腸内細菌の集まりである腸内フローラや腸内環境が悪化する原因としては、以下が挙げられます。
食品添加物
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されている加工食品や惣菜などに含まれている食品添加物は、腸内フローラを悪化する原因になると考えられます。
特に安息香酸やソルビン酸といった合成保存料は、雑菌の繁殖を抑え、食品の腐敗を防ぐ目的で使用されていますが、腸内細菌の数を増やさないといった、腸内細菌叢(腸内フローラ)への影響があると思われます。
医学の歴史において、ペニシリンやストレプトマイシンなどの抗生物質は、人びとを結核など多くの病気から救ってきました。
しかし近年は、必要以上に抗生物質を乱用することによって、腸内フローラの攪乱(かくらん)が起き、そのことが炎症性疾患や自己免疫疾患、アレルギー性疾患などの発症を引き起こすとされています。
過度のストレスは腸内フローラのバランスを崩す原因になります。
その理由は、ストレスを受けると、腸が「カテコラミン」という神経伝達物質を放出し、大腸菌がその刺激を受けて、腸の一部で病原性を高めながら増殖するといわれているからです。
緊張したりプレッシャーを感じたりすると、人によっては急におなかが痛くなるのはそのことと関係しているように思えます。また、腸内細菌のバランスが悪玉菌優位になってしまうと、便秘や下痢、うつ、アトピーといった症状にもつながっていってしまいます。
食べ物の食べ過ぎによって起こる消化不良は、腸内環境を悪化させてしまいます。特に肉などからたんぱく質を摂りすぎてしまうと、腸内で「腐敗」と呼ばれる現象が起きます。
この「腐敗」とは、たんぱく質が分解する際に発生するアミン、インドール、スカトール、フェノールなどの有害物質が食べ物を腐敗させ、腸内環境を悪化させてしまうことです。
そして、腸内を腐敗させるこれらの有害物質は、さらに強烈な発がん物質であるニトロソアミンを作り出すと言われており、このニトロソアミンは大腸がんの原因にもなってしまいます。
運動不足
運動をこまめに行わないと、腸が刺激されずにぜん動運動が起こりにくくなるため、便秘がちになります。
便秘によって便が排出されず、長期間大腸内に止まると、悪玉菌が増殖し、腸内フローラを悪化させてしまいます。
以上、ここまで腸内フローラを悪化させる原因について述べてきましたが、深刻な腸内フローラの悪化によって免疫力の低下や、慢性的な便秘、様々な病気が生じないように、日頃から腸内フローラを改善し、腸内フローラを良くする習慣をもつことが大切だと思われます。